71年にナショナルラジオのフラグシップとして¥17800という価格で発売された3バンドモデルです。
出力2.2Wというのは当時の最強で、この出力と高感度の為に単二電池x5本という強力な電源が必要でした。
更にナショナルはこの時期一貫してACトランスを内蔵する方針を取って居ましたから、勢い重量級となり、電池を含めると2kg近い重さとなりました。
この重さでも携帯できる様、サイドに鉄製の留め具を付け、太めのストラップを通して肩からぶら下げる仕組みでしたが、電池を含めても1.1kg位のソニーの11シリーズとは携帯性では大差がありました。
それでも通信機を彷彿させる重厚なデザイン、3バンド全てにRF回路を付けた高感度はラジオ少年達の憧れの的でした。
但し、他より群を抜いて高い値付けでしたから、このモデルを買って貰えるら或いは自分で買える層は限られて居たでしょう。
この個体はヤニ塗れで茶色く変色して居ましたが、そのお陰でサビが出やすいスピーカーグリル部の腐食が少なく、クリーニング後は一見美品かという外観です。
残念ながらメーター切替スイッチが途中で欠損して居ます。対策としてはインプラント治療宜しく、残った土台にピアノ線を埋め込んでそこにアルミ板を巻く方法が有り、過去何台かに施術?して居ますが、この個体では土台部分が結構残っており、操作性に問題は無いと判断したのでそのままにしてあります。
更にボックス状の外箱と内側の回路部分は底面の2本と側面の2本のネジで強固に留めて有るのですが、底面の一本が完全に錆びてネジの役目を果たしておらず、ネジ頭を切断して中身を取り出して居ます。勿論整備する為ですが、その為に底面のネジ穴に傷が残って居ます。
従って美品を期待しないで頂きたい。
一方で、音や感度、機能についてはタイマーを含めて問題ありません。
唯一FMへの切り替えがAFCスイッチをオンにしないとできません。通常のスライドスイッチ式の切替では無いので、修理は諦めました。
以上から価格は可成り勉強して居ます。メルカリで見ても整備品としては最低レベルでしょう。
貴重な専用のACコード付きです。
電池は付きませんが、電池でも動作OK。
お届け翌日迄、評価前の買い手責任外の不具合には対応します。
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